ミノワマンが語るリアル超人への道「心の奥底にまだ闘いたいという思いがある」
※ミノワマン選手にならい、当インタビュー内では「気」をすべて「氣」と表記しています。
※本記事は、2022年に『VITUP!』で公開した記事を再編集して紹介するものとなります。
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「そうですね。お客さんの比率によりますけど、入る時は毎日入っています。あとは講演やセミナー、イベントなどですね」
―精力的に活動されていますが、練習時間は確保できていますか。
「昨年は少しやることが多すぎたので、一度いろいろなものを整理させてもらいました。『体重を増やしたい、試合もしたい、でも仕事もしなきゃいけない、合氣道で弐段も取りたい』と、あれこれいっぱいありすぎて氣持ちの整理がつかなかったんです。そこで10月くらいにメンタルトレーナーの方についていただいて、氣持ちを整理したら一氣に体重が増え始めました」
―どのように整理したんですか?
「まず、やりたいことに優先順位をつけました。今一番やりたいことは何かを考えた時に、まずは体重を90キロにしたいと。それで他のことは置いておいて、トレーニングと食事だけに集中することにしたんです。トレーニングの日を週5回に増やしたら、年末までの約2ヵ月で一氣に90キロを超えました」
「心身統一合氣道も心を静めたりメンタルの部分を勉強するんですけど、心が大事だということを今はとくに実感しています。年齢が高くなるごとに、人ってやることが増えるじゃないですか。昔は格闘技でトップを目指すだけというか、やることが一つだけで単純だったんですけど、今は仕事、家族などいっぱいありすぎて、メンタルの部分の荷物が多すぎたんだと思います」
「心身統一合氣道に衝撃を受けました」
―心身統一合氣道を始めるきっかけは何だったのでしょうか。
「8000m峰6座を無酸素で登頂されている登山家の小西浩文さんという方がいらっしゃるんですけど、その方とお話をさせていただくとすごく勉強になるんです。その小西さんのホームパーティーに参加させていただいた時に心身統一合氣道の小堀智則六段がいらっしゃって、基本的な立ち方とか技を教えていただきました。その時に『なんだ、これは』と衝撃を受けて、10年前くらいから少しずつ習い始めたというのが経緯です」
―それまで感じたことがないような感覚だったのでしょうか。
「いえ、逆に試合中に感じた感覚と似ていたので驚きました。秋山(賢治)選手との試合(2001年、フロントチョークで一本勝ち)や佐々木有生選手との試合(2001年、アンクルホールドで一本勝ち)は『もうクタクタで動けない、どうすればいいんだ』という状態から、急にリラックスしてスルスル動いてパッと極めて勝ったという試合なんです。なんか不思議な力が働いて、それを当時はヘブンと表現していたんですけど、みんなが言うところのゾーンに入るという感覚でした。あの感覚はいったい何だろうと思っていたんですけど、心身統一合氣道を体験した時に『これだ、似ている』と思ったんです」
「あれが心身統一合氣道の心を静める呼吸法です。今まではパンクの精神でムチャクチャに飛び込んで、めちゃくちゃやってケガをしたり、そういうこともありました。若いうちはそれでいいと思うんですけど、今は力を正確に使おうということで心身統一合氣道を学ばせてもらっています。氣と心のトレーニングを続けることで、先日は弐段をいただきました。この感覚を総合格闘技に融合させたいという思いで、今は練習に取り組んでいます」
「50歳までに結果を出そうと思っています」
―100キロが近づくにつれて、試合に出たいという氣持ちも上がってきましたか。
「上がってきました。最初は90キロ前後を考えていたんですけど、3ヵ月弱でどんどん増えたので100キロに到達するという自信もつきました」
―闘いたい選手など明確な目標を掲げているのでしょうか?
「まず誰と対戦したいというより、ヘビー級の中に食い込んでいきたいという氣持ちです。そして最終的にはチャンピオンですね」
「去年はケガもあって総合の試合をしていませんし、正直悩むところはありました。試合をするとなると家族とかまわりにも迷惑をかけてしまいますし、引退を考えたこともあります。でも心の奥底にあるんですよね、まだ闘いたいという思いが。この思いにケジメをつけるためにも、50歳までに結果を出そうと思っています」
―期待しています。では、最後にファンに向けて一言お願いします。
「100キロになると決めたので、新しいヘビー級のミノワマンを登場させたいと思います。チャンピオンを目指して闘っていきますので、また応援してください。よろしくお願いします」
■ミノワマン(みのわまん)
本名:美濃輪育久。1976年1月12日、岐阜県出身。175センチ。92キロ。フリー。戦績/117戦63勝(43S、11KO)45敗9分。パンクラス 第5回ネオブラッド・トーナメント優勝、初代BSFミドル級王者、DREAMスーパーハルクトーナメント 〜世界超人選手権〜優勝。
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