50代でもマラソン自己ベストを出すために vol.4 〜目標達成に必要な練習とは?〜

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【写真:新澤英典】

マラソンでタイムを伸ばすために必要な能力は、VO2maxなど心肺能力や、後半になっても走り続けるための筋持久力、そして限られた力を有効に使うための効率的なランニングフォーム。それ以外にも補給計画など含めたレースマネジメントや、本番にピークを合わせる調整力などさまざまなものがあります。

それらは先天的に備わったモノもありますが、大半は練習により向上することができます。そしてほとんどの練習はこれらの能力を高めるために行っています。

あなたの伸び代はどこにあるか?

市民ランナーであれば、そのそれぞれの能力を突き詰めるレベルまで高めたランナーはほぼいないでしょう。ただ残っている伸び代(のびしろ)は一人一人違いますし、能力によっては伸びる要素がほぼ残っていない場合もあるでしょう。
例えば、心肺能力には伸びる余地はほとんどないが、筋持久力に関してはまだまだ伸ばせるとか、その両方ともダメだけどランニングフォームに関してはまだまだ伸び代があるなど様々です。
伸び代がほとんど残っていない能力を伸ばそうと練習しても効果はほとんどありませんが、まだまだ余地がある能力なら大きく伸ばすことだって可能です。

どこに伸び代があるのかを正確に掴むことは難しいですが、ランニング歴が長い方であればある程度把握しているのではないでしょうか?
例えば、男性ランナーであれば10kmやハーフマラソンでは負けない女性ランナーに、フルマラソンでは負けてしまうという方が少なくないでしょう。終盤に脚が攣ったなどを負けた理由にする方もいますが、それだけではないと思います。
このような場合は、レース終盤に脚が終わらないようにするには何をすれば良いか?という点に伸び代があります。
またゆっくり長く走るのは得意だけど、短い距離をスピード出して走るのは苦手と話す女性ランナーは少なくありませんが、どうすればスピードに対する余裕度が生まれるか?という点に伸び代があります。
しかし、タイムの伸びていないランナーの多くは、好きな練習をする時間は長く、嫌いな練習をする時間は短くなります。

週1回は嫌いな練習をしましょう

レース終盤に脚が終わってしまうランナーに必要なのは、心肺能力を高めるスピード練習ではなく、筋持久力を鍛える練習です。そして、心肺能力に余裕のないランナーに必要な練習は、ゆっくり長く走る練習ではなく、心肺に負荷をかける練習です。
長らく自己ベストを更新できていないなら、週1回は嫌いな練習をしてください。好きな練習には伸び代は少なくても、嫌いな練習にはたっぷり残っているはずです。

ウルプロ練習会でスピード練習をする日には、日中から憂鬱な気分になってしまうと話す女性メンバーは少なくありません。ランニング歴が長くても嫌いな練習を避けてきたランナーは、その練習をすることで大きく伸びる可能性があります。
注意して欲しいのは適切な負荷で練習することです。負荷が高すぎたらやり切れないし故障リスクも高まります。逆に負荷が低すぎたら効果を実感できません。適切な負荷をかけるためにも、自分自身が5kmや10kmをどのくらいのタイムで走れるのかを把握しておく必要があります。
このように、自分にとって必要な練習は何?と考えて練習するのと、漠然と何も考えないで練習するのでは同じ時間を使っても大きな差になります。
あなたがレースで毎回繰り返す失敗は?それを改善するにはどんな練習が必要?嫌いな練習は?と考えてみてください。たぶんやるべき練習が明確になってくると思います。
もちろん走ることが好きで、気持ちよく走れるならそれで良いと考えるなら、あえて嫌いな練習などする必要はありません。ランニングをする目的は様々です。

ウルプロメンバーの練習風景 【写真:新澤英典】

オススメする練習メニュー

また、心肺能力や筋持久力をバランスよく鍛えてきたランナーを含めて多くのランナーに残っている伸び代はランニングフォームです。レベルが高くなれば効率よく走れるフォームのランナーが増えますが、心肺能力や筋力など生かしていないランナーも少なくありません。ランニングフォームに関しては、正解はありませんが、不正解はあります。その不正解を修正するだけでも大きく変わります。そこに関しては次回紹介します。
最後に心肺能力や筋持久力を鍛えるためにウルプロ練習会で取り入れている練習メニューをいくつか紹介します。

心肺能力向上・・・5分間走×5-7本(リカバリー2分)
設定はサブ4レベルの方は5km走れるペース。サブ3レベルの方は10km走れるペースを目安にしてください。例えば私の場合は3 45/kmペースですから5分間で1.3km程度になります。5km25分のランナーであれば5 00/kmペースですから1kmになります。

筋持久力向上・・・12分間走×6-8本(リカバリー3分)、15分間走×5-6本(リカバリー3分)
設定はサブ4レベルの方は10km走れるペース。サブ3レベルの方はハーフマラソン走れるペースを目安にしてください。例えば私なら4 00/kmペースですから12分間で3kmになります。10km50分のランナーであれば2.4kmです。10km走れるペースで2.4kmですから余裕を持って終われます。3分のリカバリーで呼吸は落ち着くので、2本目、3本目なども楽だと思いますが、徐々に脚が重たくなってきます。まさにレース終盤のような状態になるとウルプロメンバーは話します。終盤2本くらいはマラソンの平均ペースまで落ちても構わないので、どうすればペースを保てるか試行錯誤しながら走ってください。

どちらも自己ベストのタイムというより、その時の気温や体調であればどのくらいで走れるかの観点を加えて修正することで効果が高まります。
練習場所は、トラックでなくても、周回路や河川敷などどこでもできますが、信号待ちがない場所がオススメです。ペースを気にしすぎることなく多少のズレなど構わず走ってください。
■著者プロフィール
新澤英典(しんざわひでのり)

ウルトラプロジェクト代表
ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道管理者
健康運動指導士
JSPO公認スポーツプログラマー
JAAF日本陸連公認ジュニアコーチ

損害保険会社25年勤務後早期退職し、その後ランニングクラブ ウルトラプロジェクト(通称 ウルプロ 現在の会員数200人以上)を立ち上げ、自己ベスト更新を目指す市民ランナーの指導をしている。また、ランニングポータルサイト ウルトラランナーへの道を通じて、ランナーへの情報発信を続ける他、複数のスポーツ関連企業でアドバイザーを務めている。

52歳で、5000m、10km、ハーフマラソン、フルマラソンで自己ベスト更新
100kmウルトラマラソン完走25回中 8時間台(サブ9)8回
24時間走214.472km(2017年)
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著者プロフィール

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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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