国内現役最高齢、81歳の柔術家 気持ちに衰えなし――“挑む”男たち

長谷川亮

【長谷川亮】

 お祭り色の強い、そして出場する選手だけでなく応援で訪れる家族も楽しめる大会を目指す「DUMAU サウスジャパン柔術チャンピオンシップ」(通称「DUMAU九州」)。より柔術を好きにさせる温かな雰囲気に惹かれ、大会にはさまざまな思いを持つ多彩な選手たちが集まる。実力・体重だけでなく、年齢別のカテゴリーも用意されている柔術において、気持ちに衰えを見せることなく柔術へ挑む人たちを今回は紹介したい。

左腕に障がい、表彰台でプロポーズ

【長谷川亮】

 まず5月17日の大会(佐賀・基山町総合体育館)で64キロ以下の階級別と無差別の2階級を制し、2つの金メダルを手にした重水浩次さん(42)。重水さんは分娩麻痺により生まれつき左腕が不自由な障がいを持つが、小学校より取り組んだ防具付空手で日本一になると、元来プロレス好きで他の格闘技にも惹かれていたことから柔術に転向。今年でキャリアは8年目を迎える。

64キロ以下の階級別と無差別の2階級を制した重水浩次さん(青) 【長谷川亮】

表彰台でプロポーズ成功! 【長谷川亮】

「空手の時はどちらかというと『押忍、押忍』っていうかしこまった感じだったんですけど、柔術は『片手だったらこうしたらいいんじゃない?』『これいけるんじゃない?』ってみんな一緒に考えてくれるんです。そうやってみんなで研究したりするのがすごく楽しくて。対戦相手とも話をしたり他の道場とも仲良くなるし、そういう柔術の雰囲気がすごく好きです」

 空手時代とうって変わり、最初はなかなか勝てず試合で左腕を骨折したこともあったというが、仲間や柔術が持つ“ともに強くなる”といった雰囲気に支えられ練習を続けるうち白星がついてきた。

 5月大会、無差別級の決勝ではプロレス好きの出自が見えるアキレス腱固めで一本を奪って優勝。さらに表彰台でプロポーズを行い成功すると、基山町のゆるキャラ「きやまん」、そして会場全体が2人を祝福し、DUMAU九州が掲げる温かな雰囲気に包まれた。
「ちょっと偉そうですけど、才能ないとか思ってる人がいたら、『自分より才能ない訳ないだろう』って思います(笑)。柔術は死ぬまでずっと、一生続けていくと思います」

 夜は大体練習で留守にするが、結婚する彼女もそんな重水さんを理解し応援してくれているという。

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著者プロフィール

長谷川亮

病弱だった幼少期にプロレスファンとなり、格闘技ファンを経て2002年に格闘技雑誌編集部入りし、05年からフリーライターに。『スポーツナビ』にはそのころから執筆。病床で何度も読み返したため、『プロレススーパースター列伝』は大体暗記。趣味は下手の横好きでキックボクシングとブラジリアン柔術

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